2018-01-01から1年間の記事一覧

Hatenaブログへ引っ越しました

昔の日記からのインポートはすぐに終わりました。 使い勝手が変わって、ちょっと戸惑っています。

最終退行

アマゾンの紹介より 都市銀行の中でも「負け組」といわれる東京第一銀行の副支店長・蓮沼鶏二は、締め付けを図る本部と、不況に苦しむ取引先や現場行員との板挟みに遭っていた。一方、かつての頭取はバブル期の放漫経営の責任をもとらず会長として院政を敷き…

朝ドラには働く女子の本音が詰まってる

最近の朝ドラを紹介しつつ、ここはそうじゃないだろう!と突っ込みを入れている。そうそう、そんな話もあったねえ、と懐かしく思い出しながら読んだ。だが、「本書は朝ドラ論であるとともに働く女子論でもあり、働く女子を身近にもつ男子の必読書でもある」…

ようこそ、わが家へ

駅のホームで割り込みを注意した男からの嫌がらせ行為の連続、そして、会社では営業部長の不正の疑惑。この二つが同時に進行していき、主人公はなんとかしないといけない立場に追い込まれる。最終的には解決に向かうのだが、その過程はなかなか読ませるもの…

かばん屋の相続

池井戸潤の短編集である。主人公が銀行員であるという共通点があるが、それぞれが独立した話になっている。余韻を残した結末の話が多く、その分、すっきり感は少ない。そんな中で「セールストーク」は最後にある銀行員の不正を暴いていてスカッとする。かば…

株価暴落

巨大スーパーで起きた連続爆破事件の真相を追うストーリーと、そのスーパーへの支援をするかどうかで揺れる銀行内部のたたかい。二つが同時並行で進み、手に汗を握る展開。 たしかに面白かったが、からくりが複雑すぎてついていくのがやっとだった。あと、犯…

シャイロックの子供たち

これも池井戸潤の短編連作集。全10話である銀行の支店で働く人々を描いているが、全体で、支店で起きた現金盗難事件を追っている。シャイロックは『ベニスの商人』に出てくる金貸しのことだろう。そのシャイロックの子供たちとして銀行員の生きざまを描い…

七つの会議

池井戸潤の短編集だが、一体となって一つの長編を構成している。ある中堅企業でねじの強度不足を隠ぺいしていたことが明らかになる話だ。「居眠り八角」と異名をとる八角が実にいい仕事をする。 虚飾の繁栄か、真実の清貧か。八角が選んだのは後者だった。そ…

花咲舞が黙ってない

花咲舞シリーズの2冊目。前作に続き、花咲舞がやってくれる。最後は、銀行上層部が隠ぺいしようとする悪事を暴き出す。小気味いい。花咲舞が黙ってない (中公文庫)作者: 池井戸潤出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2017/09/05メディア: 文庫この商品を…

不祥事

花咲舞が活躍する短編集。銀行内部の組織の論理と保身にしがみつく「悪者」を舞がバッサバッサと切り捨てていく。読んでいて胸がスカッとする本だ。仕事というのは本来だれを見てするべきなのかという本質に気づかされる。百貨店のぼんぼんのエリート行員が…

君の膵臓をたべたい

主人公の女の子が死んでしまう話なんだけど、読後感はさわやか。青春だなあ、って感じ。 基本的には、今まで人と向き合うことをしてこなかった「僕」が、余命いくばくもない同級生の女の子との心の交流をとおして人を大切に思う心を取り戻していく、いわば人…

病気の9割は歩くだけで治る

歩けば病気の予防になる。歩けばボケを防止できる。歩けばうつも良くなる。歩けば未来が変わる。 歩くことは万能だ。お金もかからない。さあ、歩こう。病気の9割は歩くだけで治る! ~歩行が人生を変える29の理由~ 簡単、無料で医者いらず作者: 長尾和宏出版社…

ルーズヴェルト・ゲーム

アマゾンの内容紹介より 大手ライバル企業に攻勢をかけられ、業績不振にあえぐ青島製作所。リストラが始まり、歴史ある野球部の存続を疑問視する声が上がる。かつての名門チームも、今やエース不在で崩壊寸前。廃部にすればコストは浮くが――社長が、選手が、…

M1(エム・ワン)

池井戸潤の2冊目の本。まあまあおもしろいのだが、マネーロンダリングや計画倒産についての知識がないとこの本の本当の面白さはわからないんじゃないかな。本の中でもいちおう説明されてはいるんだけど、はっきり言って理解できない。架空通貨 (講談社文庫)…

銀翼のイカロス

半沢直樹シリーズ第4弾。今回は、半沢が破たん寸前の帝国航空の再生を手がける。それを妨害する帝国航空本体、自らの手柄にしたい新任大臣とその取り巻き、政治家と手を組む旧T派閥などとの戦いはおもしろく、一気に読んだ。 銀行の頭取、中野渡の行動もと…

子どもの英語にどう向き合うか

小学校での英語必修化と時を合わせるように、幼児教育などで英語がさかんになってきているという。 子どものうちに習わせておかないと乗り遅れるのでは、という親の不安につけこむかのようだ。この本の著者の鳥飼先生は、子どもの英語はしょせん「お子様英語…

ロスジェネの逆襲

半沢直樹シリーズ第3弾。今回の舞台は半沢の出向先の証券会社だ。そこでIT企業の合併話が進む。その合併の裏にある企みを半沢が暴いていき、そして逆に大胆な防衛策を提案する。話の展開はスリリングでおもしろい。最後の「粉飾」のところがわかりにくくて…

日の名残り

カズオ・イシグロの名作。映画は見たことがあったが、本で読むのは初めてだ。 ああ、スティーブンス。執事として完璧な仕事をしようとするあまり、彼の「恋心」は日の目をみることはない。そして、今回の旅行でも、あれほど切なく思っていたにもかかわらず何…

オレたち花のバブル組

半沢直樹シリーズの2冊目。相変わらず悪をあばいていく半沢の姿は気持ちがいい。 今回は、半沢の同期で、取引先の中小企業に出向している近藤という男が登場する。人生に疲れていた彼が、裏帳簿の存在に気づき、不正をただそうとたちあがる。彼が本来持って…

オレたちバブル入行組

半沢直樹シリーズの1冊目。銀行という理不尽がまかり通る世界で、道理を貫き通す半沢の活躍が小気味いい。また、銀行や世間をだまして大儲けをしようとする「悪」を暴いていく様子も痛快だ。オレたちバブル入行組 (文春文庫)作者: 池井戸 潤出版社/メーカー…

民王

初めは、総理と息子の体が入れ替わる単なるバカ話だと思って読み始めたが、読み進めるにつれ、それだけではないものを感じ、しっかり読んだ。体が入れ替わる経験をして、総理は、政治家になったころの初心を思い出し、何のために政治をやっているのかと問い…

鉄の骨

池井戸潤の吉川英治文学新人賞受賞作。 談合の内幕を描き出すその筆致はすばらしい。そして、談合に巻き込まれながらもなんとか自分らしい感性を大事にしたいと葛藤する主人公。応援せざるをえない。そこに、談合を暴こうとする検察の捜査の展開や、自分の生…

博士の愛した数式

読んだ後、心がほっこり暖かくなる物語だ。 記憶が80分しかもたない博士と私、そして息子のルートとの交流。様々な出来事を通じてありえないような「愛情」が育まれていく。そこへ美しい数式と阪神タイガースの話が盛り込まれる。うまい。博士の愛した数式…

BT'63

上・下巻合わせて800ページ以上ある作品だが、最後まで飽きさせずに読ませる筆の力は確かだ。ただし、民営の廃棄物処理場で死体が処理されるなど、どうも設定に無理があるような気がする。次々に人が死んでいく物語にも違和感がある。アマゾンのレビュー…

果つる底なき

池井戸潤のデビュー作。「江戸川乱歩賞受賞作」とのことで期待を込めて読んだ。 読み終わってみると、内容がよくわからない。手形の話が出てくるが、この手形が何を意味しているのかがわからないので、金の流れがどうなっているのかいまいちピンとこない。 …

下町ロケット2 ガウディ計画

『下町ロケット』の第2段。 何のために働くのか、という問いに、子どもたちが病気を克服して元気になる姿をみたい、というのが原点だと言い切るメンバーの姿に感銘を受けた。青臭いと言ってしまえばそれまでだが、保身や権力闘争にあけくれる「強者」の論理…

下町ロケット

以前ドラマを見たことがあって、結末は知っていたのだが、それでもどう展開していくんだろう、とハラハラしながら読み進めた。社長の方針についていけないとバラバラだった佃製作所の社員たちの心が、大企業の「いじめ」にあい、自分たちのプライドを傷つけ…

空飛ぶタイヤ

いやー、面白かった。次、どうなるのだろうと読ませる展開にどんどん引き込まれた。空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)作者: 池井戸潤出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/09/15メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 49回この商品を含むブログ (80件) を見る