2023-01-01から1年間の記事一覧

マチネの終わりに

アマゾンのレビューでは高い評価が並んでいるが、ちょっと「微妙」かな? 物語としてはよく出来ていると思うが、なぜこんな難しい文体が並ぶのだろうか?それが平野啓一郎の特徴なのだろうか? それにしても、この二人、なんでこんなにプライドが高いのか?…

わたし、定時で帰ります ライジング

シリーズ3冊目が出ていたとは知らなかった。文庫化の広告を見てさっそく読んでみた。 途中までは、どうしようもない連中に囲まれて打開策が見出せなかった結衣さん、最後は起死回生のプレゼンで〜ってそんな簡単な話じゃなかった。でも、何のために戦うのか…

日本語びいき

『日本人の日本語知らず』の増補改題版。 日本語を教えようとする人にとっては、格好の入門書だと思う。 ポイントをまとめて整理していこう。 日本語びいき (中公文庫 し 52-1) 作者:清水 由美 中央公論新社 Amazon

リセット

垣谷美雨作。 47歳の同級生女性3人が30年前にタイムスリップして、高校生から生き直すというお話。そして最後はリセットして以前の人生に戻る。 テーマは男尊女卑と女性の生きづらさか? おもしろく読んだが、いまいち感情移入出来なかったのは、やはり女で…

老後の資金がありません

垣谷美雨作。再読。 四年前にも読んだが、今回も楽しく読んだ。 予想していなかったことが次々と起こり、1,200万円あった老後の資金がみるみる減っていく。この辺の描写はみごとだ。 最後、すべてが何となくうまくいって、ハッピーエンドで終わるが、資金不…

女たちの避難所

垣谷美雨作。 津波、避難所での生活などの描写は真に迫る。丹念に取材をして、資料も徹底的に読み込んだのであろうことがよくわかる。 そして、「絆」を盾にダンボールの仕切りも使わせない避難所。世帯主に支給されてしまう義援金。抵抗できない男尊女卑。…

姑の遺品整理は、迷惑です

垣谷美雨作。心温まるヒューマンドラマだ。 姑の多喜さん、家の片づけという点ではダメダメだったけど、団地の近所の人たちとはいい関係を築き、慕われていたらしい。遺品整理を業者に依頼していたら気づかなかったことだ。そんな姿を見て、もとこさんも人間…

ジーニアス和英辞典とタイガース

https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S15773073.html 今日の朝日新聞夕刊に、ジーニアス和英辞典にはタイガース関連の例文がたくさん載っているという記事が出ている。試しにアプリで例文検索してみると、出て来る、出て来る。楽しくなってきた。

希望病棟

垣谷美雨作。『後悔病棟』の続編という位置付け。 不思議な聴診器を受け継いだ摩周湖先生が担当する、二人の末期癌患者の女性。この二人が治験を受けて快方に向かい、人生を生き直すことになる。 終盤の展開がうまくいきすぎで、ご都合主義とも言えるが、ま…

禁煙小説

垣谷美雨作。 これはおもしろい。 主人公の早和子は、禁煙にチャレンジし続けてやめられないヘビースモーカー。タバコがやめられない心理描写があまりにリアルで笑ってしまう。 禁煙に成功するくだりは、もうちょっと詳しく描いてほしかった。

竜巻ガール

垣谷美雨のデビュー作ということで期待して読んだが、普通の小説で、ちょっと期待はずれ。

if サヨナラが言えない理由

垣谷美雨作。文庫版で『後悔病棟』と改題したものあり。 不思議な聴診器で、患者が過去に遡ってやり直す手伝いをするルミ子先生。 まあまあおもしろかったが、ところどころ展開に無理があるような。 先生が、最後、聴診器に頼らず父親に向き合うことができて…

ニュータウンは黄昏れて

垣谷美雨作。 東京のニュータウンに住む琴里と母、頼子さんを中心に話は進む。 おもしろかったが、最終章の展開があっさりしていて、何か物足りない。特に頼子さん、あきらめないと言っていたけど、何をどう頑張るのだろう?琴里の恋愛の後日譚もちょっとモ…

結婚相手は抽選で

垣谷美雨作。 抽選見合い結婚法が成立するというあり得ない状況での恋愛を描く。おもしろかった。男女二組の今後の関係の進展が楽しみ。 結婚相手は抽選で (双葉文庫) 作者:垣谷美雨 双葉社 Amazon

四十歳、未婚出産

垣谷美雨作。 おもしろかったが、釈然としないモヤモヤ感あり。周囲の助けで出産に至った主人公。一方で、原因を作ったチャラ男は、何も知らずに無罪放免か? それにしても、未婚出産にどれだけ冷たいのか、日本社会。 四十歳、未婚出産 (幻冬舎文庫) 作者:…

農ガール、農ライフ

垣谷美雨作。 派遣切りにあい、同棲相手にも振られてしまった久美ちゃんが、農業に転身して頑張って身を立てていく話。 一筋縄ではいかない農業だが、応援してくれる仲間にも出会い、ハッピーエンドに。おもしろかった。 日本の農家の抱える問題もリアルに描…

七十歳死亡法案、可決

七十歳死亡法案というあり得ない状況をベースにした話。垣谷美雨作。 だが、本質は、義母の介護という損な役割を押し付けられ、どうにもならなくなった主人公の東洋子さんが、家出をして、そのおかげで、家族の歯車がいい方向に動き出す、という物語のようだ…

あなたのゼイ肉、落とします

垣谷美雨作。『あなたの人生、片づけます』の姉妹編。 大庭小萬里がダイエットを指導するという話だが、「心のゼイ肉も落とします」と言っているとおり、心の持ち方、つまり生き方そのものを変えていく手助けをしてくれるのだ。 それぞれのクライアントが少…

あなたの人生、片づけます

垣谷美雨作。 片づけ屋の大庭十萬里が、片づけられない人たちの手助けをして、立ち直らせるお話。部屋を片づけるということは、人生を片づけるということ。感動的な話が詰まっている。 あなたの人生、片づけます (双葉文庫) 作者:垣谷美雨 双葉社 Amazon

夫の彼女

これも垣谷美雨の作品。 おもしろかった。 身体が入れ替わってしまったことで、今までの自分と違う視点を獲得できたってことかな? 二人が自分の人生を見つめ直すことができてよかった。 夫の彼女 作者:垣谷 美雨 双葉社 Amazon

子育てはもう卒業します

垣谷美雨の作品。 男女雇用機会均等法が出来る少し前に大学を卒業した3人の女性の物語。就職、結婚、子育てと頑張ってきた。自分の人生、もっと大切に生きていかなきゃ、というのが共通の願いか? 時代背景などもよくわかるから、面白く読んだが、垣谷美雨…

夫の墓には入りません

垣谷美雨の本は面白い。 「高瀬家の嫁」という立場を強制されるのが嫌で、豪快に啖呵を切って姻族関係終了届を出す、という話かと思ったが、それで終わりではなかった。嫁の重しが外れた主人公が、自分と周りの世界との関係に思いを馳せる、将来に希望を持た…

うちの父が運転をやめません

『定年オヤジ改造計画』がおもしろかったので、垣谷美雨の作品をもう一冊。 タイトルからして、運転をやめようとしない頑固じいさんの話だと思って読み始めたが、それだけではなかった。もっと広く、過疎化の問題、離れて暮らす老親のこと、買い物難民のこと…

定年オヤジ改造計画

大手石油会社を定年退職した庄司常雄さん。母性愛信仰(だから、子育ては女がやるべき)と三歳児神話(小さい子どもを預けて働くなんて非常識)に毒されていて、完全に化石状態。妻には相手にされず、娘には「間違っている」と完全に論破されてしまう。 そん…

悩め医学生

泣くな研修医シリーズの5冊め。我らが雨ちゃん先生の医学生時代の話だ。要領はよくないけど、真面目で実直で正義感の強い雨ちゃん。いろいろ悩みながらも、一生懸命勉強した。読んでいる間じゅうずっと応援したくなった。 医学部の6年間はずっと勉強や実習…

君たちはどう生きるか

ずっと昔に読んだ本だが、再読。 全編を通じて、「君たちはどう生きるか?」と問いかけられている気がする。特に、「雪の日の出来事」と「石段の思い出」の章は心に突き刺さる。 何度読んでも、読みどころが多い本である。 君たちはどう生きるか 作者:吉野源…

小説8050

主人公の家族がいわゆる8050問題に直面して困り果てる、という話かと思って読み始めたが、違った。中学生の時の壮絶ないじめが原因で引きこもりになってしまった息子と家族の再生物語である。(このまま放置していればいずれ8050になってしまうという危機感…

THE CLIENT

グリシャムの名作のペンギンリーダーズ版。レベルは4。再読。 1700語という制限された語彙でリライトされたものだし、わずか56ページに圧縮してあるし、だが、さすがにグリシャムで面白い。ドキドキハラハラで読み切った。 この本は、たしか、原書も一度読…

死ぬまでどう生きるか

朝日新聞be3月4日「それぞれの最終楽章」より ・・・死は選ばなくても、誰にでも必ず訪れる。だから、そこまでどう生きるのかを考えましょうよ、と提案しています。 この文章がすっと入ってきた。南先生の著作を読んでから考えていたことが表現されているよ…

ヴァイタル・サイン

南先生の最新刊、らしい。 今回の話は、看護師の話で、看護師残酷物語とでもいうような展開。病棟での看護師の仕事が緻密に描写されている。まるで南先生が実際にやっていたかのようなリアルな描写に驚く。そんな過酷な労働環境の中で何が彼女たちを支えてい…