子どもの英語にどう向き合うか

小学校での英語必修化と時を合わせるように、幼児教育などで英語がさかんになってきているという。
子どものうちに習わせておかないと乗り遅れるのでは、という親の不安につけこむかのようだ。この本の著者の鳥飼先生は、子どもの英語はしょせん「お子様英語」、そのまま大人の英語として使えるわけではないのだから、無理して子どもに英語を覚えさせようとするようなことをする必要はない、というスタンスだ。
また、鳥飼先生は、今の英語教育をめぐる状況について、次のように語っている。ちょっと長いが引用してみよう。
(引用はじめ)
 そもそも不思議なのは、なぜ日本人は英語にだけ高い要求を持っているのか、ということです。たとえば、「小中高と12年間も体育の授業を受けてきたのに、速く走れない」と怒る人はいないでしょう。(中略)それなのに、なぜか英語に対してだけは、誰もが「6年間も習ったのに、話せない」と憤っているのです。
 英語を自在に操れる人は、それだけの努力を自分でしているのです。にもかかわらず、学校教育だけで流暢に話せるようになるかのような幻想を持っているのが、根本的な問題なのです。
(引用終わり)
学校での英語教育に何を求めるべきなのか、立ち止まって考えるべきではないか。

子どもの英語にどう向き合うか (NHK出版新書 562)

子どもの英語にどう向き合うか (NHK出版新書 562)