2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

日の名残り

カズオ・イシグロの名作。映画は見たことがあったが、本で読むのは初めてだ。 ああ、スティーブンス。執事として完璧な仕事をしようとするあまり、彼の「恋心」は日の目をみることはない。そして、今回の旅行でも、あれほど切なく思っていたにもかかわらず何…

オレたち花のバブル組

半沢直樹シリーズの2冊目。相変わらず悪をあばいていく半沢の姿は気持ちがいい。 今回は、半沢の同期で、取引先の中小企業に出向している近藤という男が登場する。人生に疲れていた彼が、裏帳簿の存在に気づき、不正をただそうとたちあがる。彼が本来持って…

オレたちバブル入行組

半沢直樹シリーズの1冊目。銀行という理不尽がまかり通る世界で、道理を貫き通す半沢の活躍が小気味いい。また、銀行や世間をだまして大儲けをしようとする「悪」を暴いていく様子も痛快だ。オレたちバブル入行組 (文春文庫)作者: 池井戸 潤出版社/メーカー…

民王

初めは、総理と息子の体が入れ替わる単なるバカ話だと思って読み始めたが、読み進めるにつれ、それだけではないものを感じ、しっかり読んだ。体が入れ替わる経験をして、総理は、政治家になったころの初心を思い出し、何のために政治をやっているのかと問い…

鉄の骨

池井戸潤の吉川英治文学新人賞受賞作。 談合の内幕を描き出すその筆致はすばらしい。そして、談合に巻き込まれながらもなんとか自分らしい感性を大事にしたいと葛藤する主人公。応援せざるをえない。そこに、談合を暴こうとする検察の捜査の展開や、自分の生…

博士の愛した数式

読んだ後、心がほっこり暖かくなる物語だ。 記憶が80分しかもたない博士と私、そして息子のルートとの交流。様々な出来事を通じてありえないような「愛情」が育まれていく。そこへ美しい数式と阪神タイガースの話が盛り込まれる。うまい。博士の愛した数式…

BT'63

上・下巻合わせて800ページ以上ある作品だが、最後まで飽きさせずに読ませる筆の力は確かだ。ただし、民営の廃棄物処理場で死体が処理されるなど、どうも設定に無理があるような気がする。次々に人が死んでいく物語にも違和感がある。アマゾンのレビュー…

果つる底なき

池井戸潤のデビュー作。「江戸川乱歩賞受賞作」とのことで期待を込めて読んだ。 読み終わってみると、内容がよくわからない。手形の話が出てくるが、この手形が何を意味しているのかがわからないので、金の流れがどうなっているのかいまいちピンとこない。 …

下町ロケット2 ガウディ計画

『下町ロケット』の第2段。 何のために働くのか、という問いに、子どもたちが病気を克服して元気になる姿をみたい、というのが原点だと言い切るメンバーの姿に感銘を受けた。青臭いと言ってしまえばそれまでだが、保身や権力闘争にあけくれる「強者」の論理…

下町ロケット

以前ドラマを見たことがあって、結末は知っていたのだが、それでもどう展開していくんだろう、とハラハラしながら読み進めた。社長の方針についていけないとバラバラだった佃製作所の社員たちの心が、大企業の「いじめ」にあい、自分たちのプライドを傷つけ…

空飛ぶタイヤ

いやー、面白かった。次、どうなるのだろうと読ませる展開にどんどん引き込まれた。空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)作者: 池井戸潤出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/09/15メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 49回この商品を含むブログ (80件) を見る