シャイロックの子供たち

これも池井戸潤の短編連作集。全10話である銀行の支店で働く人々を描いているが、全体で、支店で起きた現金盗難事件を追っている。シャイロックは『ベニスの商人』に出てくる金貸しのことだろう。そのシャイロックの子供たちとして銀行員の生きざまを描いている。
結末がどうもすっきりしないので、すっきり感は少ないが、銀行という職場の一種「異常な」雰囲気が活写されている。

シャイロックの子供たち (文春文庫)

シャイロックの子供たち (文春文庫)