もう別れてもいいですか

垣谷美雨作。結婚における男尊女卑への怒りがたっぷりと込められた作品。でも、単に「けしからん、離婚」となるのではなく、離婚に踏み切るまでの葛藤も丹念に描かれている。 がんばれ、澄子さん!

路上の弁護士

原題 The Street Lawer by John Grisham 大手の弁護士会社で働いてた若手弁護士が、ある事件に巻き込まれたのをきっかけにホームレス救済に力を入れだし、自分の働いていた会社と戦うという話。 最後、勧善懲悪で弁護士エリートを叩きのめして終わるのかと思…

迷惑な終活

内館牧子の最新作。まあまあおもしろい。 他人に迷惑をかけないようにエンディングノートなどを書く終活ではなく、自分の人生にケリをつける終活を。やり残したこと、何かない?やろうよ!というメッセージが伝わってくる。 迷惑な終活 作者:内館牧子 講談社…

空飛ぶタイヤ

再読。結末で赤松社長が勝つのはわかっていたが、それでもハラハラドキドキしながら読んだ。 真実を明らかにしたいという社長の執念が巨大自動車会社を追い詰めていく。その姿は感動的だ。 そして、最後にトドメを刺したのが内部通報。これもある意味、当然…

墓じまいラプソディ

垣谷美雨ワールド全開のおもしろい作品だ。 そして、今後の墓のあり方、「同姓」強制のこれからについてなど大いに考えさせられた。 墓じまいラプソディ 作者:垣谷 美雨 朝日新聞出版 Amazon

すぐ死ぬんだから

内館牧子の定年小説二作めらしい。 おもしろかったけど、夫の死後、お妾さんとその子どもが登場して、という展開は、ドラマチックではあるけど、現実味がなくて、ちょっと引いた。 「すぐ死ぬんだから」を免罪符にしてダラダラと生きるのだけはやめようと思…

終わった人

再読。内館牧子はやはりおもしろいと思う。前回読んだ時は、資産、年金の額の多さに反発したが、まあ、東大卒のエリート銀行員の話だから、こんなものだろう。 主人公は「終わった人」になりたくなくて、いろいろもがく。そして運に恵まれ社長になって財産を…

英英辞典の底力

これはすばらしい本だと思う。著者の英英辞典への愛と知識が詰まっている。 今まで、LDOCEはやさしい英英辞典だと思っていたが、この本では、上級英英辞典に位置付けられる。つまり、初級、中級が存在するということだ。 それぞれの辞書の語釈、例文も紹介さ…

今度生まれたら

内館牧子の「定年」小説、第三弾。おもしろい。 主人公の夏江は70歳。恵まれた人生だが、別の人生もあったんじゃないか、と思ってしまう。そして「今度生まれたら」と考える。この焦燥感、わからないでもない。 でも、やっぱりどう生き切るかを考えるべきだ…

母親からの小包はなぜこんなにダサいのか

「母親」から届く小包をテーマにした短編集。 原田ひ香は、こういう家族を描く小説がとてもうまいと思う。ほっこりとする話が詰まっていた。 母親からの小包はなぜこんなにダサいのか (中公文庫) 作者:原田ひ香 中央公論新社 Amazon

俺たちの箱根駅伝

いやー、おもしろかった。まるで箱根駅伝の中継を見ているような緊迫感。コースの状況なども細かく書き込まれていて、さすが池井戸潤である。 関東学生連合の成長の様子、様々な人間ドラマ、放送を支えるテレビ局の内情など、描き方が素晴らしい。 早く次の…

懲役病棟

病棟シリーズ3作め。 受刑者それぞれの人生が明らかになっていき、そして、香織先生のおせっかいで明るい方向に動き出す、楽しい話だった。 懲役病棟 (小学館文庫) 作者:垣谷美雨 小学館 Amazon

むこう岸

NHKドラマの原作。生きることに勇気を持てるようになる作品だった。 生活保護とは無縁の暮らしをして来たが、ニュースの背景に思いをいたすようになった。 「きみは施しを受けているんじゃない。社会から、投資をされているんだよ」新たな視点だと思う。 不…

英語学習のつまずき50の処方箋

これは素晴らしい本だと思う。「英語力を伸ばすにはこれが必要」と一方的に宣言するのではなく、こういうことで悩んでいるのはこれこれが原因で、こういう処方箋が必要、と的確に指摘してくれる。 参考文献も豊富で、これに取り組んでみようか、と思える。 …

The Pelican Brief

この本も翻訳版を手がかりに読んだ。面白いが、登場人物が多すぎて相関関係がわからない人物もいまだにいる。謎が謎のままで終わってしまったところもあり、再読が必要か? The Pelican Brief: A Novel (English Edition) 作者:Grisham, John Anchor Amazon

夜に星を放つ

図書館で人気の本で、やっと回ってきたので、期待して読んだが、感動のない作品だった。直木賞受賞作らしいけど、うーん。

ロングマンアクティベータ

最近、カシオの電子辞書XD-SX21000を買った。その中にロングマンアクティベータとオックスフォードword finder が入っていて、重宝している。 特にアクティベータは、今までどう使ったらいいかよくわからなかったが、コツが掴めてきた。類義語辞典としても使…

蜜蜂と遠雷

ずっと気になっていた本をやっと読んだ。長かったが面白かった。ピアノもクラシック音楽も素人の私でも読めてしまうのは、この本の持つ物語性の素晴らしさゆえなのだろう。主人公の天才たちの今後の活躍が楽しみだ。 蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫) 作者:恩…

外科医、島へ

泣くな研修医シリーズの6冊め。雨ちゃん先生が、島で、限界を感じながらも大活躍。東京の外科医もいいけど、島でのお医者さんも似合ってると思うけどな。 志真との恋は実らなかった。不器用だしね、雨ちゃん先生は。そういうところ、好きだよ、雨ちゃん先生…

舟を編む

再読。やっぱりこれは見事な作品だと思う。馬締や松本先生、そして編集部メンバーの辞書編纂への思いが伝わってくる。同時に、西岡や岸部の成長ぶりも読んでいて嬉しい。 辞書がますます好きになる本だ。 舟を編む (光文社文庫) 作者:三浦 しをん 光文社 Ama…

お探し物は図書室まで

2021年本屋大賞第2位というだけあって、心がほっこりする本だ。 解説にあるように、ファンタジーとして読むとその良さが伝わってくる。自分が今置かれている不遇を嘆き続けていないで、目の前にある小さなことから始めてみると世の中が変わって見えてくるよ…

海とジイ

藤岡陽子作。 ジイの生き方が若い世代に影響を及ぼす 、という話のようだ。志木さんの話はよくわからなかったが。 海とジイ (小学館文庫) 作者:藤岡陽子 小学館 Amazon

三人屋

三姉妹が経営する店とその常連さんたちの話。話がどれも中途半端で終わってしまい、どうもスッキリしない。 原田ひ香はもういいかなぁ。

ランチ酒

原田ひ香、2冊目。 祥子の人生、これからも頑張れとは思うけど、ランチと酒の美味しそうな描写はあまり興味ない。ビミョーかな?

満天のゴール

去年見たドラマの原作。 死んで誰かの星になる、そんな生き方ができたらいいと思う。精一杯生きることだ。 それにしても、前半の奈緒の離婚騒動の話は、こんなに丁寧に描く必要がないのではないか? 満天のゴール (小学館文庫) 作者:藤岡陽子 小学館 Amazon

三千円の使い方

お金の使い方にまつわる女性たちの生き方を描写した好著。 解説の垣谷美雨さんの次の言葉がこの本の本質をよく表している。「お金の使い方には、その人の生き方がギュッと詰まっています。財布に入っている三千円をどう使うべきか、その追求は、幸福の追求と…

あきらめません!

垣谷美雨作。 男尊女卑の色濃く残る田舎で、市議会議員、そして市長へと挑戦する郁子さんの行動力には感服した。そして、その影響を受けて変わっていく由香さんや姑さんもすばらしい。 クォータ制の採用。これが実現したら世の中、大きく変わるだろう。 あき…

いのちの十字路

久しぶりの南先生の本。駆け出しの野呂先生の奮闘ぶりは、「泣くな研修医」シリーズの雨野先生を思い出させる。だが、扱うテーマはとても重い。中でも、ヤングケアラーの問題と「介護を休む権利」はすこぶる現代的なテーマだ。 介護の様々な問題にもっともっ…

THE CLIENT

翻訳版を手掛かりにして読んだ。 マークとレジーの冒険物語に乾杯🍻 そして、二人の弁護士ー顧客という関係以上の深い結びつきにグッと来た。 The Client: A Novel (English Edition) 作者:Grisham, John Anchor Amazon

マチネの終わりに

アマゾンのレビューでは高い評価が並んでいるが、ちょっと「微妙」かな? 物語としてはよく出来ていると思うが、なぜこんな難しい文体が並ぶのだろうか?それが平野啓一郎の特徴なのだろうか? それにしても、この二人、なんでこんなにプライドが高いのか?…