農ガール、農ライフ

垣谷美雨作。 派遣切りにあい、同棲相手にも振られてしまった久美ちゃんが、農業に転身して頑張って身を立てていく話。 一筋縄ではいかない農業だが、応援してくれる仲間にも出会い、ハッピーエンドに。おもしろかった。 日本の農家の抱える問題もリアルに描…

七十歳死亡法案、可決

七十歳死亡法案というあり得ない状況をベースにした話。垣谷美雨作。 だが、本質は、義母の介護という損な役割を押し付けられ、どうにもならなくなった主人公の東洋子さんが、家出をして、そのおかげで、家族の歯車がいい方向に動き出す、という物語のようだ…

あなたのゼイ肉、落とします

垣谷美雨作。『あなたの人生、片づけます』の姉妹編。 大庭小萬里がダイエットを指導するという話だが、「心のゼイ肉も落とします」と言っているとおり、心の持ち方、つまり生き方そのものを変えていく手助けをしてくれるのだ。 それぞれのクライアントが少…

あなたの人生、片づけます

垣谷美雨作。 片づけ屋の大庭十萬里が、片づけられない人たちの手助けをして、立ち直らせるお話。部屋を片づけるということは、人生を片づけるということ。感動的な話が詰まっている。 あなたの人生、片づけます (双葉文庫) 作者:垣谷美雨 双葉社 Amazon

夫の彼女

これも垣谷美雨の作品。 おもしろかった。 身体が入れ替わってしまったことで、今までの自分と違う視点を獲得できたってことかな? 二人が自分の人生を見つめ直すことができてよかった。 夫の彼女 作者:垣谷 美雨 双葉社 Amazon

子育てはもう卒業します

垣谷美雨の作品。 男女雇用機会均等法が出来る少し前に大学を卒業した3人の女性の物語。就職、結婚、子育てと頑張ってきた。自分の人生、もっと大切に生きていかなきゃ、というのが共通の願いか? 時代背景などもよくわかるから、面白く読んだが、垣谷美雨…

夫の墓には入りません

垣谷美雨の本は面白い。 「高瀬家の嫁」という立場を強制されるのが嫌で、豪快に啖呵を切って姻族関係終了届を出す、という話かと思ったが、それで終わりではなかった。嫁の重しが外れた主人公が、自分と周りの世界との関係に思いを馳せる、将来に希望を持た…

うちの父が運転をやめません

『定年オヤジ改造計画』がおもしろかったので、垣谷美雨の作品をもう一冊。 タイトルからして、運転をやめようとしない頑固じいさんの話だと思って読み始めたが、それだけではなかった。もっと広く、過疎化の問題、離れて暮らす老親のこと、買い物難民のこと…

定年オヤジ改造計画

大手石油会社を定年退職した庄司常雄さん。母性愛信仰(だから、子育ては女がやるべき)と三歳児神話(小さい子どもを預けて働くなんて非常識)に毒されていて、完全に化石状態。妻には相手にされず、娘には「間違っている」と完全に論破されてしまう。 そん…

悩め医学生

泣くな研修医シリーズの5冊め。我らが雨ちゃん先生の医学生時代の話だ。要領はよくないけど、真面目で実直で正義感の強い雨ちゃん。いろいろ悩みながらも、一生懸命勉強した。読んでいる間じゅうずっと応援したくなった。 医学部の6年間はずっと勉強や実習…

君たちはどう生きるか

ずっと昔に読んだ本だが、再読。 全編を通じて、「君たちはどう生きるか?」と問いかけられている気がする。特に、「雪の日の出来事」と「石段の思い出」の章は心に突き刺さる。 何度読んでも、読みどころが多い本である。 君たちはどう生きるか 作者:吉野源…

小説8050

主人公の家族がいわゆる8050問題に直面して困り果てる、という話かと思って読み始めたが、違った。中学生の時の壮絶ないじめが原因で引きこもりになってしまった息子と家族の再生物語である。(このまま放置していればいずれ8050になってしまうという危機感…

THE CLIENT

グリシャムの名作のペンギンリーダーズ版。レベルは4。再読。 1700語という制限された語彙でリライトされたものだし、わずか56ページに圧縮してあるし、だが、さすがにグリシャムで面白い。ドキドキハラハラで読み切った。 この本は、たしか、原書も一度読…

死ぬまでどう生きるか

朝日新聞be3月4日「それぞれの最終楽章」より ・・・死は選ばなくても、誰にでも必ず訪れる。だから、そこまでどう生きるのかを考えましょうよ、と提案しています。 この文章がすっと入ってきた。南先生の著作を読んでから考えていたことが表現されているよ…

ヴァイタル・サイン

南先生の最新刊、らしい。 今回の話は、看護師の話で、看護師残酷物語とでもいうような展開。病棟での看護師の仕事が緻密に描写されている。まるで南先生が実際にやっていたかのようなリアルな描写に驚く。そんな過酷な労働環境の中で何が彼女たちを支えてい…

The Falcon's Feathers

A to Z MysteriesシリーズのFの本。 連れ去られたハヤブサのヒナの行方を追う少年たちの話。 あまりひねった展開はなく、話の流れは追いやすい。最後に挙動不審の人の正体が明かされるが、それ以外はほぼ順調な流れ。 A to Z Mysteries: The Falcon's Feathe…

サイレント・ブレス

南先生のデビュー作。いろんなことを考えさせられる本だった。 生きること、死ぬことってどういうことだろう。人は誰もが死ぬ。どうやって死ぬかということは、どう生き抜くことと言えるのではないだろうか。「生きた」という証を残して死にたいと思う。 「…

The bald bandit

A toZ Mysteries シリーズの2冊目。 3人の少年たちが謎を解いていく物語。子ども向けとはいえ、おもしろい。 graded readersではないので、知らない単語もけっこう出てくるが、飛ばしても筋が追えなくなるほどではない。文の構造は簡単。 結末で話は解決する…

ハヤブサ消防団

池井戸潤のミステリー。 さすが池井戸潤、おもしろい。 ただ、プロットが複雑で、最後まで読んでもよくわからなかった。 来年の夏にドラマになるそう。 ドラマも見てみたい。 ハヤブサ消防団 (集英社文芸単行本) 作者:池井戸潤 集英社 Amazon

ブラックウェルに憧れて

これも南先生の本。 女であるということで苦しい立場に置かれている四人の女医さんの物語。それぞれに人生を切り開こうとしている姿に共感する。 ブラックウェルに憧れて 作者:南杏子 光文社 Amazon

それわ英語ぢゃないだらふ

大西先生渾身の一冊。 先生が考えていて、今、ラジオ英会話や英会話定番レシピの番組で教えようとしている内容がコンパクトにまとめられている。 まあ、逆に言えば、大西先生の番組を聞いて(見て)いるならば、あえてこの本を読まなくてもいいということに…

希望のステージ

南先生の本。 菜々子先生の心の中は晴れない。自分が「絶対治るから」と言ってしまったばっかりに患者さんが自殺してしまったと思い込んでいるから。この「絶対」を医者が言っていいのか、がこの本の大きなテーマの一つだ。本書の最後で、たぶん、菜々子先生…

アルツ村

南先生の本。 衝撃のラストを読んで、初めから読み返したくなった。 認知症の世界がうまくサスペンスと融合している。 アルツ村 作者:南杏子 講談社 Amazon

やめるな外科医

泣くな研修医シリーズの4作目。 主人公の雨ちゃん先生は、ずいぶんとベテランになった。だが、次々と困難が押し寄せる。救えない患者さん。彼女との別れ。医療ミス。そして友人の死。 このタイトルのとおり、「やめるな外科医」である。がんばれ、雨ちゃん…

TWO LIVES

Cambridge Readersのレベル3。 ウェールズの小さな村で愛し合うようになった二人が離れ離れになる。手紙を出すが届かない。そして時は流れ、50年後、ふとしたきっかけで手紙が見つけ出され、二人は再会するが、二人の前に障壁が。 語彙制限シリーズだが、ど…

「日本」ってどんな国?

日本の現状を国際比較データを使って明らかにした労作。 「日本すごい!」というのは、バブルのころまでの話で、現在は国際的にみるとたいしたことない存在になってしまっている。ジェンダーや民主主義の観点からみると世界でも遅れた国だ。 この本がちくま…

ディア・ペイシェント

NHKドラマの原作本。著者は南先生。 「患者様プライオリティ」の方針のもと、モンスター患者の扱いに手を焼くドクター。その描写はどこか滑稽でありながら、真に迫る。 様々な困難にぶつかりながらも医師としての誇りを失わず、働く意味を追い続ける千晶先生…

コンパスローズ英和辞典が物書堂のアプリになりました

大西先生が語のイメージ欄を監修しているコンパスローズ英和辞典が物書堂のアプリになりました。発売直後はアプリにならなかったので、半分あきらめていたのですが、今年、シャープの電子辞書(高校生向け)に搭載されて、これは・・・と期待していたら、実…

いのちの停車場

著者は医師である南先生。南先生の患者に対する目、そして患者家族にそそぐ目はやさしい。終末期医療の話なので、多くの場合、患者は死に至る。患者が如何にして人間の尊厳をもって死んでいくのか、そして、見守る家族がどうやって死に直面するのか、そこに…

FLY AWAY HOME

ペンギンリーダーズのレベル2(600語)の本である。 でも、読むと感動させられる。鳥たちを無事に越冬地まで移動させられるか、ハラハラドキドキの物語。そして、父と娘の絆の再生。書いてくれた作者に感謝。 Fly Away Home (Penguin Readers Level 2) 作者…