うちの父が運転をやめません

『定年オヤジ改造計画』がおもしろかったので、垣谷美雨の作品をもう一冊。

タイトルからして、運転をやめようとしない頑固じいさんの話だと思って読み始めたが、それだけではなかった。もっと広く、過疎化の問題、離れて暮らす老親のこと、買い物難民のことから、都会での子育てのあり方、働くことの意味など、さまざまなことを提起している。

この作品では、Uターンして移動スーパーに転職するという一つの解を示し、働く側にも地域にもメリットがあることを描いている。世の中、そんなにうまくいくことばかりではないだろうが、人々が抱えている問題の根っこに何があるのか考えることで、少しでも解決につながる何かが見えてくるのではないだろうか。