夫の墓には入りません

垣谷美雨の本は面白い。

「高瀬家の嫁」という立場を強制されるのが嫌で、豪快に啖呵を切って姻族関係終了届を出す、という話かと思ったが、それで終わりではなかった。嫁の重しが外れた主人公が、自分と周りの世界との関係に思いを馳せる、将来に希望を持たせてくれるいい終わり方だ。