大手石油会社を定年退職した庄司常雄さん。母性愛信仰(だから、子育ては女がやるべき)と三歳児神話(小さい子どもを預けて働くなんて非常識)に毒されていて、完全に化石状態。妻には相手にされず、娘には「間違っている」と完全に論破されてしまう。
そんな庄司さんが、孫のお迎えを頼まれたのをきっかけに「改造」されていく。
化石オヤジの実態をグサっと暴く筆致は心地よく面白い。そして、ただ面白いだけでなく、じわっと自分の心にも響いてくる。自分の心の中にも庄司さん的なものがあるから。
世の定年オヤジたちにはもちろん、若い世代や女性にもおすすめできる一冊。