いのちの停車場

著者は医師である南先生。南先生の患者に対する目、そして患者家族にそそぐ目はやさしい。終末期医療の話なので、多くの場合、患者は死に至る。患者が如何にして人間の尊厳をもって死んでいくのか、そして、見守る家族がどうやって死に直面するのか、そこには正解はないが、主人公の咲和子先生も悩みながら寄り添っていく。

だが、最後に、大きな宿題が。咲和子先生の父親の積極的安楽死問題。今の日本の制度では犯罪になるのだが。おおいに考えさせられる。