いじめられた知識からのメッセージ

市川氏が著作の中で、知識の役割を解説した本として紹介している。
流行りの「子ども中心」らしく見える授業(子どもから疑問を出させる)を「プロセスでの主体性」とし、学んだことをもとに考える「学んだあとの主体性」と区別している。「プロセスでの主体性」はうまくいくこともあるが、出てくる疑問が学ぶ内容と関連づかないものになる可能性を指摘している。
また、授業におけるおもしろさとは何か、を考察し、以下の3つに区分する。
a 学習活動に味付け(昔のやり方でシールや賞状を与える)
b 学習内容のまわりに味付け 調べ学習やグループ活動を行うこと自体に意義があり、内容は何でもよい
c 学習内容自体の味=ある知識を身につけたことによって生まれるおもしろさ
bでいうおもしろさとはエンターティンメントであり、こればかりを追求するのはおかしい。本来、学ぶ内容自体がおもしろくなるための工夫こそが求められるべきなのに、エンターティンメントを追求するあまり、内容をおもしろくするための内容の徹底的な吟味ができなくなってしまうのが問題になる。
他にも大事なことがあるが、割愛。

いじめられた知識からのメッセージ―ホントは知識が「興味・関心・意欲」を生み出す

いじめられた知識からのメッセージ―ホントは知識が「興味・関心・意欲」を生み出す