「外国人力士はなぜ日本語がうまいのか」

たしかに外国人力士は日本語がうまい。インタビューなどを聞いていても、外国人であることを忘れてしまうほどだ。読むことに関しても番付表の漢字は十両くらいまですんなり読めるらしい。色紙のサイン、一言も書ける。
彼らは、なぜ、あんなに上手に日本語を操れるのか。読めば納得の「秘訣」が書いてある。力士は学校で日本語を習ったりはしない。辞書で言葉を調べたりしない。日々、兄弟子やおかみさん、師匠、部屋関係者、ファン、近所の人たちと接する中で、日本語を「習得」していく。24時間日本語漬けの毎日だ。教室の中の勉強だけで英語を身に着けられない我々との大きな違いである。
そして、何よりも違うのは、強烈なハングリー精神だ。日本語がうまくなること=相撲が強くなること=地位が上がり、「給料」も上がること。だから、彼らは必死になって覚える。英語ができなくても困ることのない平凡な日本人との大きな違いである。
著者は、成功する学習者になるための秘訣としていくつか挙げているので、引用しよう。
1 強い学習動機を持て
2 自分の学習環境にできるだけ多くの母語話者を取り込め
3 そのネットワークの中で目標言語に漬け浸れ
4 教室だけの語学学習で満足するな
5 常に自らの学習に働きかけるストラテジーを習得する工夫を施せ
6 自分の学習を人に管理させず、自分自身で面倒見ろ
7 語学学習のモデルとなるような学習者はあなたの周りに必ずいる。その学習者の行動をよく観察して、自分に合ったものは積極的に盗め