電子書籍元年とはなんだったのか?

18日朝日の夕刊 「メディア激変 電子書籍元年、その後」より
東京電機大学出版局長の植村八潮さんの言葉。
「コンテンツが紙の書籍の置き換えで、アウトプットとしての電子書籍だったら市場は広がらない」
「間違いなく言えることは、新しいメディアは、古いメディアを模倣する段階から、古いメディアとは全く違うメディアになったときに初めて成功する」

そのとおりだと思う。電子辞書は、紙の辞書と違って、一括検索や例文検索、ジャンプ機能などで紙の辞書ではできないことを実現してその地位を確立した。電子書籍も、新しい形をもたないと大衆的に普及しないと思う。フォントが大きくできる、だけではダメ。紙だって「大活字版」がある。圧倒的に安い価格が実現できれば、それはそれで魅力にはなるが、それでは出版社がもたない。どんな付加価値をつけて売り出せるか、が問われているのではないか。