“9.11テロ”に立ち向かった日系人

月曜日にNHKで放映された番組。9.11テロの後に、差別や迫害を受けたアラブ・イスラムアメリカ人たち。彼らに対する差別に毅然として反対した日系人たちの話。その背景には、第二次大戦中に日系人が強制隔離された過去の苦い記憶がある。私たちのような思いをさせてはいけない。そんな思いを持つ日系人たちに押されるように、日系人である当時運輸大臣だったミネタさんが、空港などでの人種差別検査の禁止を宣言する。
また、これ以前に、ミネタさんらの働き掛けで、1988年にレーガン大統領が日系アメリカ人への強制収容補償法に署名した動きも追っている。

アメリカの「テロとの戦い」=イスラム原理主義との戦いという構図が当たり前のように語られ、ビン・ラディンの殺害が歓迎される空気の中、マイノリティーへの差別は民主主義と相いれないと声を上げ続ける日系アメリカ人たち。その悲劇がどんなだったか、多くの日本人は知らない。アメリカ人も知らないであろう。やはり知らなくてはならない。知ることでこそ、民主主義は前進する。
このような番組を作ったNHKに今回は拍手を送りたい。
http://www.nhk.or.jp/kenwatanabe/about/index.html