ジュニアプログレッシブ英和辞典

あるサイトで、初級の学習者向けとしておすすめした辞書だが、実は持っていなかったので、アマゾンの中古品で購入。送料込みで¥500。
中学生向けに特化した辞書だが、なかなか役に立つ。なんといってもわかりやすいのがいい。

一例として、thank という動詞の使い方をあげてみたい。

Don't thank me. Thank Dread.
礼を言うなら、私にではなく、ドレッドに言え。

これは、大好きな「リトル・チャロ」に出てくるシリウスの台詞である。
「Thank you=ありがとう」とだけ覚えていると、このセリフを見た途端、頭が真っ白になってしまう。
ジュニアプログレッシブ英和辞典では、
動詞 他動詞 ・・・に感謝する、礼を言う という語義の次に
I always thank my parents.
という例文を出している。そして、そのあとに、thank+<人>+for+(名詞または動名詞doing)の使い方を説明している。この説明なら、上の Thank Dread.がすっきりわかるはずだ。

他の英和辞典は、初めの例文のところを省略して、いきなりthank+<人>+for+(名詞または動名詞doing)で、Thank you for inviting me. のような例文を示し、thankの後に人が続き、事柄について言及するときはforを使うことをわからせようとする。
以下は、ウィズダム英和辞典2版の例。
引用始まり
thank A (for B/for doing) 人が A 人 に(B 行為など […してくれたこと]に対して)感謝する , お礼を言う(↓ thank you)

I thanked Jean for dinner. 私はジーンに夕食のお礼を言った

The coach thanked the players for leading his team to victory. コーチはチームを勝利へと導いてくれた選手たちに感謝した
引用終わり

上級者はこれでもわかるが、英語の苦手な高校生にこれを見て Don't thank me. Thank Dread.
を理解しろというのは無理な話だ。
オックスフォード現代英英辞典8版では、文例で、3つの型を示していてわかりやすい。
thank A
thank A for B
thank A for doing
ロングマン現代英英辞典5版でも、3つを示している。

ウィズダム他の英和辞典は、限られた紙面という制約の中でより多くの情報を盛り込まなければいけないという事情から、基本語の使い方の説明をある程度省略せざるをえない事情は理解できる。ウィズダムはいい辞書だ。でも、本当に英語をやり直そうと、中学レベルから学び始める人たちにはわかりにくい。やはり、実力に見合った辞書を選ぶのが王道だ。

ジュニア プログレッシブ英和辞典

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