The Absent Author

A to Z Mysteries という少年探偵シリーズの第1巻。主人公は、男の子二人と女の子一人。
Dickは有名なミステリー作家に手紙を出し、彼の街に来てほしいと頼み、yesの返事をもらう。だが、約束の時間になっても彼は現れない。もしかして誘拐されたのでは?と3人は作家の行方を探す。
子ども向けながら、プロットはしっかり練られていて、最後にどんでん返しが待ち構えている。最後まで読むと、ああ、あそこにこういうキーが隠されていたんだ、とわかる。
やさしい英語で、ハラハラしながら最後まで読ませる構成になっている。随所にイラストがあり、物語の展開を理解するのに役立つ。イラスト込みで87ページ、2時間くらいで読み終わる。多読にはもってこいの本だ。
ただし、この短い話にけっこう複雑なプロットが組まれているので、最後のなぞ解きに数ページが費やされるのはちょっと興ざめ。あと、この物語全体を支える「倫理観」のようなものがどうも気になる。大人の都合で子どもたちを惑わせるのは許されるのか?まあ、このへんは文化の違いか、個人的な価値観の違いか、よくわからないけど。
率直な感想では、最後に「ニヤッ」と笑えるJigsaw Jones シリーズの方が子どもらしくて好きだな。こちらは「ふむ、ふむ、なるほど」という感じ。

A to Z Mysteries: The Absent Author

A to Z Mysteries: The Absent Author