音声学の世界では、抽象的な音である「音素」とそれが実際に発音される時の音「異音」を区別して表現する。はじめ聞いたときは何を言っているのかわからなかったが、例えば、日本語では、[suna]と発音しても[θuna](θ)は英語のthの発音)と発音してもどちらも「すな」に聞こえる。だから、[suna]も[θuna]も/suna/という音素の異音であると認識する。
ところで、最近の辞書の音声の記述も、音素表記が多いという。長年、英語の辞書を見続けていたのに気が付かなかったが、よく見ると、版の古いランダムハウス英和辞典は昔からの[gou]表記だが、新しい新英和大辞典では/gou/表記だ。ロングマンやオックスフォードの英英辞典も/ /式。音素表記のよいところは、個々人の発音の違いはあるが、どれもこの音としてこの言語では認識されるというのがわかるわけで、方言などの違う発音をいちいち示さなくてもよいことにある(もちろん、英語と米語の区別は音素段階でしている)。
知らない間に、世の中、変わっていたんですねえ(^_^;)