「ハートで感じる英文法」

NHK3か月トピック英会話をまとめた本。テーマは、文法規則ではなく、ネィティブの感覚をハートで感じ取ろう、というものです。E-ゲイト英和辞典でも「コアイメージ」を使って英語を感覚的にとらえようという試みがされているが、この本では、the,that,現在完了などの文法事項をネイティブの感覚でつかみとり、使いこなそうと提案している。
結論から言えば、すばらしい本だ。学生時代にこういう教え方をしてもらったら、もっと英語が楽に覚えられただろうに・・と思う。
一例をあげれば、過去形が過去でなく別な意味を持つ、という事例。
助動詞の過去形could,might,wouldは、(過去形であるがゆえに)「距離をとる」意識になり、「控え目表現」になる。私は、これらは仮定法の片割れだと勝手に解釈していたが、この説明を読んですっきりした。
同様に、「丁寧表現」も過去形を使う。
Will you..よりもWould you..が丁寧なのはわかっていたが、
I hope you will help me.と言うよりも
I hoped you would help me.と過去形を使うほうが丁寧な印象になる、というのは知らなかった。
あと、前置詞のon 基本イメージ「上に乗っている」から「圧力」へ。
Jack turned on Brian and started yelling at him.
このonには強烈な圧力があって、ジャックはブライアンをにらみつけた、ということ。普通に見たのだったら、towardsを使う。こういうonの使い方は学校では教えてくれないよね。というより、onの使い方は、1,2,3、と教えていたのでは、こういう使い方じたいが出てこないのではないか。ためしに「ルミナス英和辞典」でざっと見たが、onにはこの使い方は出ていない。turn on という成句で「(怒りを見せて)〜の方に向き直る」というのが見つかった。この成句を覚えなくてはいけないというのと、onのイメージでブライアンに圧力がかかっているんだなと理解するのと、どちらが有効か?もちろん後者だろう。他にonが出てきたときに応用がきく。
ちなみにアマゾンの書評でも多くの高い評価が載っている。

NHK3か月トピック英会話 ハートで感じる英文法 (語学シリーズ)

NHK3か月トピック英会話 ハートで感じる英文法 (語学シリーズ)