「英語脳はすでにあなたの頭の中にある!」

東京外語大出身の井上一馬さんの著書。これまで様々な英語関係の執筆や翻訳をされてきた方の言葉だけに、とても説得力のある内容だ。
内容は、現在完了、時制の一致、仮定法、冠詞、前置詞などの使い方が、実は、日本語の考え方と同じようなとらえ方で理解できるというものだ。英語ではなぜ時制の一致をするのか、一致をしないケースはどんな場合か?仮定法ではなぜI were を使うのか?などなど、今まで疑問に思っていても、ネイティブの頭をかち割ってみないとわからないとあきらめていた事柄について、多くのネイティブと接した経験から解き明かしてくれる。「なるほど!」と膝を打ちたくなる場面がたくさんある。要は、日本人もアメリカ人(その他英語話者)も思考回路にそれほど差はないということだ。ただちょっとだけベクトルが違っていて、その違いをわかれば、恐れることはない。文法を形だけ覚えるよりもよっぽど役に立つ。
ただし、井上さんは「英語を学ぶのはそれほど簡単なことではない」という認識をきちんともつことが第一に大切だと説いている。それでも、英語脳はこうなっていると理解できれば、やや苦手意識は薄れるのではないだろうか。ちょっと勇気を与えてくれる本だ。

英語脳はすでにあなたの頭の中にある!

英語脳はすでにあなたの頭の中にある!