「英語で読む坂本龍馬」

坂本龍馬の一生をコンパクトにまとめた良書。著者は日本の近代史の研究をしているアメリカ人らしい。
NHKの「龍馬伝」が佳境に差し掛かっているが、今まで見たことがない。でも、この本を読んで龍馬の魅力がわかったような気がする。土佐を脱藩し、勝海舟に弟子入りし、海軍の軍備増強で欧米列強と同等の地位を得ようとする。そのためには海運貿易で儲ける必要がある。こうして彼は長崎に海運会社を作り、倒幕のために薩長同盟を仲介する。そして、武力で倒幕しようとする薩長をなだめ、無血の倒幕(大政奉還)を成し遂げる媒介となる。
彼の人生の原点には、大海原へ出ていきたい、自由になりたい、という「途方もない夢」があった。あの徳川時代にこうした先見の明を持って行動したからこそ、今でも高く評価されるのであろう。

ところで、この本は純粋に洋書ではない。脚注も訳もついている。だから「英語学習」のカテゴリーに入れてもよかったが、読み物として面白かったので、「洋書」のカテゴリーに入れた。graded readers ではないが、難しい言葉にはほとんど脚注がついているし、文法的に難しいところはない。日本人学習者向けにわざわざ「龍馬伝」を書いてくれた著者に感謝、感謝である。

英語で読む 坂本龍馬(上)

英語で読む 坂本龍馬(上)

英語で読む 坂本龍馬(下)

英語で読む 坂本龍馬(下)