「読む心・書く心 文章の心理学入門」

読解の指導はどうあるべきか、と悩み続けてたどり着いたのがこの一冊。
文章を読んでわかるとはどういうことか?
その過程で、心の中はどういうふうに働いているのか?
この仕組みについて、中学生にもわかるようにわかりやすく解説しているのがこの本です。言われてみれば当たり前ともいえるこの仕組み、ふだんは無意識におこなっていることをきちんと説明する、というのがたいへんなのです。心理学の専門用語は最低限におさえ、かつ、ここで理解したことをどう使えば読む力、書く力を伸ばしていけるのか、ということまで解説してくれています。「名著」とはこういう本のことを言うのでしょう。

読む心・書く心: 文章の心理学入門 (心理学ジュニアライブラリ02)

読む心・書く心: 文章の心理学入門 (心理学ジュニアライブラリ02)

この本の前に読んだのがこちら。「難しい内容を難しいまま」まとめた、典型的な研究者がまとめた本。先行研究と理論の紹介はしているが、それを実践でどういかすのかという視点が弱い。
文章を理解するとは―認知の仕組みから読解教育への応用まで

文章を理解するとは―認知の仕組みから読解教育への応用まで

さらに、これは、もっと難しい研究者向けの本。第一言語第二言語とをきちんと分けて、読解の仕組みの研究の到達点と今後の展望をしめしている。また、リーディングとリスニング、ライティングとの関係など、日本で英語を指導する際に役立つ視点が網羅的に取り扱われている。
英語リーディングの認知メカニズム

英語リーディングの認知メカニズム