ハートで話そう!マジカル英語塾 英語のバイエル(初中級)

大西先生のNHK番組をまとめたもの。解説されていることは、これまで読んだ著書の中で展開されている内容で、新しい内容はない。この本(講座)のねらいは、バイエルというピアノ練習用の冊子の英語版を作ろうということである。(初中級)とあるからには、「初級」という本も存在するがこちらはまだ見ていない。
英語版のバイエルとは、基本になる例文を200覚えよう、しかもそこに込められているネイティブのイメージを感じながら、というものだ。単に基本例文を覚えようという本はごまんとあるが、「ネイティブのイメージを感じながら」というところが大西流だ。

大西先生は、文法用語の丸暗記は不要と言い切っている。でも、基本例文は体に染みつくまで覚えなさいと説く。先日、ある方に「今、聞き流すだけで英語が話せるようになる、っていうのが流行っているみたいだけど、ああいうのはどうなの?」と聞かれた。私は、今まで英語に接する機会がなかった人には、たくさんの英文を聞くのは効果がある。そして、その中のいくつかでも頭に残ってちょうどいい場面でそれが使えればしめたもの、話せたような気分になれる。でも、効果はそこまで。本気で自分の話したいことを英語にして伝えようとするには、もっと本格的な「トレーニング」が必要だ、というように答えた。このバイエルも初中級の人には役に立つトレーニングツールだと思う。ただし、本気で200の例文を覚えようという気構えがなければ無用の長物である。