リセット

垣谷美雨作。

47歳の同級生女性3人が30年前にタイムスリップして、高校生から生き直すというお話。そして最後はリセットして以前の人生に戻る。

テーマは男尊女卑と女性の生きづらさか?

おもしろく読んだが、いまいち感情移入出来なかったのは、やはり女でないからか?

ラストで、それぞれが新しい人生に踏み出す様子が小気味いい。

 

 

老後の資金がありません

垣谷美雨作。再読。

四年前にも読んだが、今回も楽しく読んだ。

予想していなかったことが次々と起こり、1,200万円あった老後の資金がみるみる減っていく。この辺の描写はみごとだ。

最後、すべてが何となくうまくいって、ハッピーエンドで終わるが、資金不足の課題は解決していない。もっと書いて欲しかった。工夫次第でなんとかなるというメッセージか?

 

 

女たちの避難所

垣谷美雨作。

津波、避難所での生活などの描写は真に迫る。丹念に取材をして、資料も徹底的に読み込んだのであろうことがよくわかる。

そして、「絆」を盾にダンボールの仕切りも使わせない避難所。世帯主に支給されてしまう義援金。抵抗できない男尊女卑。日本の縮図がそこに見て取れる。

希望は、そんな閉塞感から抜け出し、東京での新しい生活に踏み出した女たち。彼女たちに幸あれと心から祈る。

 

 

姑の遺品整理は、迷惑です

垣谷美雨作。心温まるヒューマンドラマだ。

姑の多喜さん、家の片づけという点ではダメダメだったけど、団地の近所の人たちとはいい関係を築き、慕われていたらしい。遺品整理を業者に依頼していたら気づかなかったことだ。そんな姿を見て、もとこさんも人間として大事なことは何なのか考え直す。うさぎを大事にしたり、近所の鍵っ子を気にかけたり、と夫も変わった。最後、亡くなった実母の手記も見つかり、もとこさんはこれから母との「対話」をするのだろう。お母さんのこと、いろいろわかるといいね。

 

 

ジーニアス和英辞典とタイガース

https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S15773073.html

今日の朝日新聞夕刊に、ジーニアス和英辞典にはタイガース関連の例文がたくさん載っているという記事が出ている。試しにアプリで例文検索してみると、出て来る、出て来る。楽しくなってきた。

希望病棟

垣谷美雨作。『後悔病棟』の続編という位置付け。

不思議な聴診器を受け継いだ摩周湖先生が担当する、二人の末期癌患者の女性。この二人が治験を受けて快方に向かい、人生を生き直すことになる。

終盤の展開がうまくいきすぎで、ご都合主義とも言えるが、まあ面白かったのでよしとしよう。それにしても、キーワードが風俗店の営業とは…