岩波新書「創氏改名」

創氏改名は、日本の植民地支配の本質を見事に表している。
朝鮮半島での姓は、単なるlast nameではない。父系の血族のつながりを示すものだ。そのつながりを断ち切り、日本と同じイエという単位を新たに創設し、皇民化政策を推し進めた象徴のようなものである。そして、その推進には、「自発性の強要」という手段がとられた。しかも、「内鮮一体』と言いながら、あくまでも日本は支配する立場、朝鮮の人々は支配される立場という差異化は変わることがなかった。
百科事典、歴史辞典などで「創氏改名」を調べてみると、単に氏名を日本風に改めさせたという誤解を招くような記述も多い。真実を見極める目をしっかりと持たないといけない。

創氏改名―日本の朝鮮支配の中で (岩波新書 新赤版 1118)

創氏改名―日本の朝鮮支配の中で (岩波新書 新赤版 1118)