文章は接続詞で決まる

今まで文章を読む時に、接続詞について深く考えることはなかった。
本書の序章では、
「プロの作家は接続詞から考えます。接続詞が、読者の理解や印象にとくに強い影響を及ぼすことを経験的に知っているからです」
と述べられている。
う〜〜ん、そうか・・
ただし、この本の前半はちょっと退屈。主に書き言葉で使われる分類ごとの接続詞の紹介と、それを効果的に使った文例が示されている。先に説明が来て、後から文例が来るので、文例を読み終わってもはたしてどう効果的だったのかわからないまま進んでしまう。(もちろん、前に戻ってしっかり確認しながら読めばいいのだろうが・・)
最後の章の、小説の中での接続詞の効果、という部分がおもしろい。
『坊ちゃん』で使われる「だから」
『それから』で使われる「それから」
『門』で使われる「要するに」
これらがピンポイントで大きな効果を発揮するという指摘。思わず夏目漱石を読んでみたくなる。

というわけで、接続詞の大切さに気付かせてくれる1冊である。これから、本を読む時などに、接続詞についてちょっと気を付けてみようと思う。

文章は接続詞で決まる (光文社新書)

文章は接続詞で決まる (光文社新書)