いま、逆攻のとき 使い捨て社会を越える

本多氏の著書で紹介されていた、ルポライター鎌田慧氏の最近の対談、評論をまとめて、加筆・修正したものです。
派遣などの非正規労働者が増え、雇用の不安定性が増大する中で、どうしたら人々がより人間らしい暮らしを取り戻せるか、がこの本のテーマです。
最後の章で、年越し派遣村の村長だった湯浅誠氏との対談もあり、なかなか示唆に富む内容になっています。
昔は労働運動が前衛で、市民運動などはそれについていくというのが常道でしたが、今や労組の組織率はたしか3割未満。非正規労働者の組織化もほとんどできていない状態です。そんななか、派遣村に代表されるような「命を守る」運動と、使い捨てられる(正規も含めた)労働者を守る運動、外国人労働者(研修生)の人権を守る運動、ボランティア活動などをゆるいネットワークでつないでいく、そんな姿が求められているということですね。
秋葉原の殺人事件の犯人も、こういうネットワークにどこかで救われていれば、あの事件も起こらなかったかもしれない、と触れられています。そういえば、昨日も大阪の繁華街で無差別の殺人事件。あの犯人も、セーフティネットからこぼれて転落してしまった一人なのでしょうか?

いま、逆攻のとき―使い捨て社会を越える

いま、逆攻のとき―使い捨て社会を越える