小倉寛太郎「自然に生きて」

著者は、山崎豊子の小説、そして映画にもなった「沈まぬ太陽」の主人公、恩地のモデルになった人物です。この本の中で、本人が山崎さんの取材の様子にも触れていて、「沈まぬ太陽」が、かなり日航の実態を反映したものだということがわかります。
この本のまえがきで、小倉氏は「たとえ、どんな試練や迫害にあっても、おかしいことにはおかしいと言い、屈しない人生を生き抜くことが大切だ」「”人を裏切らない”ということも痛切な思いとして伝えたかった」と書かれています。日航からあれだけの差別的な報復人事を受けてもけっして屈しなかった氏の生き方の原点です。
沈まぬ太陽」がこれだけのベストセラーになったのも、小倉氏のこういう生き方が多くの人の共感を得たからではないかと思います。

自然に生きて

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